研究室概要
具体的な研究テーマは、(楕円曲線の高次元版である) アーベル多様体と保型形式の関連や高次元の CM 型アーベル多様体に関する虚数乗法論といった所謂、数論幾何学の一角です。また、最近では、L 関数の特殊値に端を発して特殊関数の関数項連分数展開とその応用として、Euler-Gompertz 定数の無理性の証明に関しても興味を持っています。
在校生へのメッセージ
整数論の主要テーマは、素数、方程式、ゼータ関数の三つです。素数の分布は、リーマンのゼータ関数の非自明な零点と密接に関連することが知られていて、この零点の位置に関するリーマン予想は、クレイ数学研究所が掲げたミレニアム懸賞問題の一つです。
また、楕円曲線の有理点と L 関数 (ゼータ関数の一種) の零点の位数 および 微分係数に関するバーチ&スウィンナートン・ダイアー予想もその懸賞問題の一つです。
このように素数、方程式、ゼータ関数がそれぞれ独立しているのではなく互いに関連を持って影響し合っていることが整数論の醍醐味の一つです。
卒論テーマ
- n≧5 のとき、n 次方程式の解の公式の非存在
- 素数の逆数和が発散することの証明
- 平方剰余の相互法則
- テータ関数の変換公式
- (楕円曲線の有理点に関する)モーデル・ヴェイユの定理