研究室概要
コボルディズムのなすテンソル圏の、量子群やホップ代数、部分因子環などの表現のなすテンソル圏への表現を通じて、結び目や3次元多様体の幾何学的な構造を捉まえたいと思い、研究を続けています。そのために、様々なクラスのホップ代数について、その準三角構造やリボン構造を調べたり、様々なクラスの部分因子環や量子群について、量子不変量の具体的計算を行ってきました。今後もこのような研究を通して、代数、低次元トポロジー、 数理物理の相互関係をより深く理解して行きたいと思っています。
在校生へのメッセージ
群や環は高度に抽象的なため、そのままでは扱いにくい場合があります。このようなとき、それらを行列で「表現」し、線形代数的手法を用いて研究することができます。1つの表現から得られる情報は少ないことが多いですが、表現を複数考える、極端な場合にはすべて考えることにより詳しい情報を引き出せることもあります。表現論とは、このような方法により群や環など代数系の性質を研究する分野のことをいいます。現在、トポロジーや数理物理などの他分野との関連で大きく発展しています。
卒論テーマ
- 鏡映を用いた3次元多面体の決定
- サッカーボールの模様の数学的分類
- 連分数による120度のピタゴラス数の漸化式
- 淡路結びのジョーンズ多項式
- クイバーの表現論