関西大学表現論セミナーのご案内

関西大学表現論セミナーのご案内

下記の通り、 関西大学千里山キャンパスにて、表現論セミナーを対面にて開催させていただきます。よろしくお願いします。

開催日時:2025年11月8日(土) 14時30分—18時
開催場所:関西大学千里山キャンパス第4学舎1号館2階数学科実験実習室

プログラム:
   1. 14時30分―15時30分
      柳川 浩二(関西大学システム理工学部)
     Remarks on the q-deformed modular group and q-deformed rationals

  2.  15時40分―16時40分
       小川 裕之(大阪大学大学院理学研究科)
       a Poincare convex domain associated with an endomorphism on a real inner product space
 
  3.  16時50分―17時50分
       小木曽 岳義(城西大学理学部)
       マルコフ3数のq-変形とその組み合わせ論的性質について   

各講演の概要は下にあります。ご参加をお待ちしています。
世話人:柳川浩二、和久井道久
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 1.  講演者:柳川 浩二(関西大学システム理工学部)
   タイトル:Remarks on the q-deformed modular group and q-deformed rationals
   講演概要:任鑫 氏(OCAMI特別研究員)との共同研究に基づく。
      正整数 n の q-変形 1+q+…+q^{n-1} は古典的であるが、近年、Morier-Genoud と
      Ovsienko は、有理数の q-変形を導入し、様々な話題との関連を示唆した。
      小木曽氏、宮本氏、和久井氏も含めた共同研究(以下、[KMRWY])では、これらの
      初等整数論的性質を研究したが、これについて復習したのち、以下の新しい結果・
      考察について紹介する。
        1) q-変形有理数は、モジュラー群 PSL(2,ℤ) の q-類似 PSL_q(2,ℤ) を用いて(も)
            求められる。PSL_q(2,ℤ) に、q=-1, i, ω (ωは1の原始3乗根)を代入すると、
            有限群になる。この現象は、[KMRWY]で扱ったq-変形有理数の分子・分母
           多項式の特殊値と関連する。
       2)  [KMRWY] では、q-変形有理数の分子・分母多項式の整数環上の既約分解
            について考察したが、本講演では、そのヴァリエーションとして、有理絡み目の
            正規化ジョーンズ多項式について同様の考察を行い、予想を提示する。

  2.  講演者:小川 裕之(大阪大学大学院理学研究科)
        タイトル:a Poincare convex domain associated with an endomorphism on a real inner product space  
      講演概要:Hilbert 空間上の有界線形作用素に対して、数域(Numerical Range)と言うスペクトルを含む凸領域が定義され、線形代数や関数解析などにおいてたくさんの研究があり、作用素を視覚的にとらえるツールとして利用されています。数域とは少し異なる、スペクトルを含む Poincare 凸領域とその応用について紹介します。

   3.  講演者:小木曽 岳義(城西大学理学部)
        タイトル:マルコフ3数のq-変形とその組み合わせ論的性質について   
       講演概要:2020年にMorier-GenoudとOvsienkoの有理数のq-変形に触発されて、色々な計算結果からq-Markov方程式を定義し、その解としてq-Markov3数を定義し、古典的なところで成立しているいくつかの性質を証明したり、予想したりしました。その後2025年の5月ごろMorier-GenoudとOvsienko達が、そのq-Markov3数について蛇グラフのperfect matchingのq-変形と関連付ける論文を発表しました。この話とさらにそれをクラスター代数の関連について彼は示唆していますが、これについての私見を述べる予定です。 
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